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近年は、「健康寿命」という言葉をよく耳にします。しかし、「健康寿命」と「寿命」は、どう違うのか知っていますか?
寿命は、人が生まれてから亡くなるまでの期間を言いますが、健康寿命とは、健康に日常生活を送れる期間を言います。
日本は、男女とも世界トップクラスの長寿国ですが、すべての人が生涯にわたって健康でいきいきと生活できているわけではありません。健康上に問題が生じて介護が必要になるなど、日常生活に制限が出てくる場合もあります。
単に長生きするのではなく、心身ともに自立し、健康に天寿を全うしたいものです。食事や運動、生活習慣などに気を付ける人も多いですが、歯の健康を守ることは大変重要です。
ほとんどの歯を失っていながら、入れ歯などを使用せず歯がない状態を続けていると、自分の歯が20本以上ある人に比べて、認知症の発症リスクがおよそ1.9倍に高まるという調査結果があります。その調査によれば、よく噛めない人は何でも噛める人よりも認知症発症リスクが高く、その差は1.5倍としています。
つまり、残っている歯が多い人ほど、認知症発症リスクが下がるということです。噛むことは、脳にさまざまな刺激を与え、脳の血流量を増やします。しっかり噛むために、自分の歯を1本でも多く残すことが大切です。
また、歯を失ってしまった場合には、抜けたままにせず、適切な補綴治療により咀嚼機能を回復することが大切です。
脳血管疾患は、介護が必要になる主な原因の一つですが、突然死を招くこともある恐ろしい病気です。歯を失うことは、脳血管疾患リスクを高めることにもつながります。歯の喪失で脳血管疾患のリスクが高まるのは、噛めないことにより、食べ過ぎを招きやすいことが原因です。それにより、高血糖や脂質異常の原因にもなります。しっかり噛むための歯を守り、食生活の乱れを招かないようにすることが大切です。
また、脳血管疾患は歯周病との関係も深く、歯周病の人は歯周病でない人に比べて、脳梗塞になる可能性が2.8倍にも高まることがわかっています。
歯を失い噛めなくなることで招く疾患は、認知症・脳血管疾患のほか、肥満・糖尿病・転倒・免疫力の低下・胃腸の不調など多岐に渡ります。
「歯が1本くらいなくても問題ない」と思われがちですが、歯を1本失うことで、さらに歯を失うリスクを高めます。
さらに、歯がないままの状態を続けることは、噛み合わせのバランスを乱し、転倒しやすくなる原因にもなります。また、頭痛・肩こりなどの不定愁訴を引き起こす場合もあります。
多くの歯を残し、お口全体の健康維持、噛み合わせのバランスを維持することは、器官としての口の機能を保ち、健康寿命延ばすことにつながります。