ホーム > 顎顔面矯正とは?
上下の噛み合わせが悪い「不正咬合」の場合、放っておくと日常生活にさまざまな悪影響を与えることから、顎顔面矯正治療が重要となります。効果的に治療を進めるためには、治療方法についての患者様の正しい理解が必要です。
顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)とは、単に歯並びだけでなく、噛み合わせや顎関節を考慮して行う矯正治療です。噛み合わせを改善する事で、顎関節症状の緩和、肩こりや側湾症の改善、鼻づまりやアトピー性皮膚炎の緩和にも効果が期待できると言われています。主に急速拡大装置(ハイラックス)を使用しての矯正治療となります。
特に歯並びの悪い原因としては顎の裂成長があげられ、急速拡大装置で顎を拡げる事で、歯の並ぶスペースを確保します。特にお子様の場合は成長発育に合わせて実施する事で、綺麗に歯が並ぶのを促す事が可能です。永久歯が生えそろう前に“おかしいな?”と、感じた時点で一度ご相談ください。
矯正治療は顎の正常な発育を促す一期矯正(顎顔面矯正)と歯並びを整える二期矯正(歯列矯正)の2つに分けられます。
顎顔面矯正を行う際は、主に次のような流れで治療を行います。
日常生活で気になる点をお聞きし、お口の中を細かくチェックした後で、不正咬合やその他のお口の問題点について診断します。
矯正治療に必要な情報を収集するために、次のような検査を行います。
そして、カウンセリングと矯正検査の結果を参考に、今後の治療計画を検討していきます。
カウンセリングや矯正検査の結果をもとに立てた治療計画を、患者さんにお伝えします。その際は、検査で撮影した写真や歯科模型、3D画像などを使って、分かりやすくご説明します。
計画にそって治療をスタートします。患者さんのお口の状態に合わせてご用意した矯正装置を装着していただきます。その後、1~3ヶ月ごとにご来院いただき、装置の調整や治療経過の確認を行います。
矯正装置を一定期間装着していただき、その後、1期治療の終了と判断されたら矯正装置を外し、必要に応じて2期治療へと移行します。
顎顔面矯正(1期治療)は、骨格にアプローチしてキレイな歯並びをつくるための土台を作りますが、2期治療はキレイに歯を並べるための治療を行います。お口の状態によって、2期治療が必要な場合とそうでない場合があり、使用可能な装置もお口の状態によって違ってきます。2期治療はお口の状態に合わせて、適した装置をご提案します。
マルチブラケット
インビザライン
(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)
インビザを導入する意図として、顎顔面矯正後の2期矯正にブラケットを装着する煩わしさや、2期矯正中のプラークコントロールの不良からくる虫歯や歯周病のリスク回避があげられます。(適応は病院側の判断になりますが)
ただもう一方として、顎顔面矯正までを必要としない症例や、そもそも患者さんが審美のみを重要視する、また一部の歯並びだけを治したいというご希望があった場合にお勧めするものです。
矯正装置には、狭い歯列や顎の幅を広げる「拡大装置」のほか、上顎の骨を前に引き出す「フェイスマスク」や、逆に上顎の骨の成長を抑える「ヘッドギア」など、さまざまなタイプがあります。
矯正装置を使って治療を行う顎顔面矯正は、具体的な治療経過がイメージしにくいことから、当院ではカウンセリングの際、患者さんに分かりやすいアメリカDolphin社の治療イメージの動画を使って説明しています。
ここでご紹介する動画は、急速拡大装置を使った「交叉咬合(こうさこうごう)」の治療イメージです。通常は下列よりも上の歯列が外側に出ているのに対して、下の歯列が外側に出ている状態を「交叉咬合」や「すれ違い咬合」といいます。
このケースでは、まず、短期間で歯列の幅を広げるハイラックスタイプの急速拡大装置を使って、上顎の歯列の幅を下顎よりも広げます。その後、スペースが空いた前歯の部分にブラケットを取り付けて、徐々にすき間を詰めることによって交叉咬合が改善されて、きれいな歯並びになります。
この動画は、歯並びがガタガタの「叢生(そうせい)」という状態で、さらに、上の前歯が飛び出している「上顎前突」の治療イメージです。
このケースでは、バラエティタイプの急速拡大装置を使って、ゆっくり上顎の歯列幅を広げてから、下顎の装置にかけたバネの力で前突している上顎の骨を正常な位置に移動させます。最終的に、上下の歯にブラケットを取り付けて歯を移動させることで、前に飛び出していた前歯がきれいに収まります。