ホーム > 徹底した歯周病治療
歯周病の進行を食い止めるためには、早期発見としっかりとした治療が必要なことから、歯周病治療についての専門的な知識を持つ、日本臨床歯周病学会の認定医である当院の院長が、適切な治療により患者さんのお口の健康をお守りします。
歯周病は、はじめにどの程度進行しているのかを、歯肉の炎症や歯垢の付着、歯のぐらつき、レントゲン撮影などにより検査します。検査によって軽度の歯周病と診断された場合、歯磨きの指導と歯石除去により歯茎の状態はほぼ改善されます。
また、中等度の場合でも、歯磨きや歯石除去のほかに歯茎の下の歯石除去などの基本的な治療によって、症状の改善がみられますが、歯周ポケットが残ってしまい歯ブラシでの清掃が難しいと判断される場合は、外科的な処置を行って進行や再発を防ぎます。
歯周病の治療を行った後は、症状の改善がみられた場合でも再発の恐れがあることから、お口の環境をより良い状態に保つために、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
歯周病は放っておくと歯を失う恐れがある病気のため、早期の治療が必要です。検査の結果、歯周病と診断された場合、まずは次のような基本治療を行います。
歯周病の治療では、歯に付着した歯垢を減らす「プラークコントロール」が基本となることから、毎日の歯磨きは大変重要です。
しかし、中には間違った方法で歯を磨いているせいで、歯垢をしっかり落とすことができない患者さんもいらっしゃることから、正しい歯の磨き方を身につけるために、歯科衛生士によるブラッシング指導が必要となります。
スケーリングとは、先端が鎌や鍬(くわ)のような形をしたスケーラーと呼ばれる医療器具を使って、歯ブラシでは落とすことができない歯垢や歯石を取り除く処置です。
歯周ポケットを刺激することで出血することがありますが、歯周病の症状が改善されると徐々に治まっていきます。歯周病治療のスケーリングは、基本的に健康保険が適用され、通常3~6ヶ月に一度のペースで行われます。
ルートプレーニングとは、先端が刃のようになっているキュレットと呼ばれる医療器具を使って、スケーリングでは届かない歯肉縁下にたまっている歯垢や歯石を取り除く処置です。
キュレットで汚れをそぎ取ることで歯の表面が滑らかになるため、汚れがつきにくくなるのがルートプレーニングの特徴です。歯周病の原因となる汚れを残さず除去するために、処置が歯周ポケットの内部にまで及ぶことから、事前に麻酔を行います。
基本治療を行っても改善がみられない場合や、重症化した場合は外科治療が必要になります。外科治療には、進行を食い止める治療と、歯周組織を正常な状態に回復させる治療の2つがあります。
歯周ポケットが深くなってしまい、スケーリングやルートプレーニングでは歯垢除去の効果がみられない場合、フラップ手術と呼ばれる外科手術を行います。
フラップ手術を行う際は、まず麻酔を行ってから歯茎を切開し、歯根の表面の汚れを取り除くほか、炎症を起こしている部分を切除した後、切った部分を縫合します。術後は、3~6ヶ月ほどで、歯茎が歯根面にくっつきます。
レーザー機器を使うことで、歯周ポケットの中にたまっている歯石の除去や、フラップ手術の際の炎症部分の切除を効果的に行うことが可能になります。
当院では、患者さんへの影響を最小限に抑えることができる、エルビウム・ヤグ(Er:YAG)・レーザー装置を導入しています。Er:YAGレーザーは、組織に照射した際に熱が起こりにくいため痛みが少なく、照射が表面に限定されることにより、組織の深部や周辺組織に与える影響を少なく抑えることができます。
歯根膜や歯槽骨などの歯周組織は、一度歯周病菌に破壊されてしまうと、通常の治療を行っても元には戻りませんが、再生療法によって失った歯周組織をよみがえらせることが可能です。
一般的な方法としては、患部を特殊な膜で覆って歯周組織の再生を待つGTR法(組織再生誘導法)のほか、専用ゲルやご自身の血漿を使った方法などがあります。
歯周病菌によって歯周組織が破壊されたせいで、歯茎がやせて歯根が露出してしまった場合、上顎などから採取した健康な歯肉を移植することで、元のような状態に戻すことができます。
歯肉移植では、上皮組織・結合組織・骨膜の3層で構成される歯茎のうち、結合組織のみを移植するCTG(結合組織移植術)と、上皮組織と結合組織を移植するFGG(遊離歯肉移植術)の2種類があります。
歯周病の治療では、TBIやスケーリングなどの一般的な処置のほかに、歯周病を引き起している原因菌の増殖を抑えるために、細菌に有効な抗菌薬を使った抗菌療法が用いられます。
抗菌療法は、経口薬をお飲みいただく方法と、歯周ポケットに抗菌薬を局所的に投与する方法の2種類で、スケーリングなどと併用することにより高い効果を得ることができるほか、炎症の軽減や治療による感染の予防にもつながります。
上顎の口蓋から歯肉を採取し、移植して歯肉を増やす治療法です。
CTG(結合組織移植術)は結合組織のみを、FGG(遊離歯肉移植術)は上皮組織と結合組織を移植します。
歯肉の移植は、保険が適用となりません。
移植した場所だけでなく、歯肉を採取した箇所にも痛み・腫れが生じる場合があります。また、FGGの場合は上皮ごと移植するため、歯茎の色味が異なる場合には、治療部位が目立つ場合があります。
当院では治療を正しく理解し、納得して治療を受けていただけるよう、カウンセリングを重視しています。治療に関する不安や疑問点は、どのようなことでもお気軽にご相談ください。