ホーム > さくまデンタル通信 > メンテナンス編
口腔内にいる細菌が多いと、感染症の発症リスクが高まります。お口の中を清潔にすることが、新型コロナウイルスを始めとする感染症や、口腔内細菌を原因とする肺炎の発症・重症化の予防へとつながります。ご自宅で行うセルフケアと、歯科医院で行われるプロフェッショナルケアの両方を行って、お口の健康を維持しましょう。
近年は、お口の健康が全身の健康に影響していることがわかってきていますが、感染症も同様です。口腔細菌が、ウイルスの感染力を高めることがわかっています。
口腔細菌が生成する酵素が、ウイルスの体内への侵入を助けてしまうのです。
口腔細菌がインフルエンザの感染促進に深く関わっていて、抗インフルエンザ薬の効果を低下させることがわかっています。そして、口腔細菌がコロナウイルスにおいても感染リスクに影響すると考えられています。
ウイルスの入口となる、口腔の細菌を減らし、衛生的に維持することが、健康維持において重要です。
ウイルスは、「レセプター」というタンパク質(ACE2 受容体)と結合することによって、体内に侵入し、ウイルス感染を引き起こしますが、ウイルスによって結合しやすい受容体は異なるため、ウイルスに応じた対策が求められます。
レセプターは体内の様々な箇所に存在していますが、コロナウイルス感染の受容体は舌に多く存在するため、口からのウイルス侵入を防ぐことが大切です。また、感染リスクを低減させるため、舌清掃を含めたお口の衛生管理が重要視されています。
参考：＜新型コロナウイルス感染症について(COVID-19)日本歯科医学会連合＞
歯科の急性疾患対応と慢性的疾患対応について
栄養バランスは免疫力に大きく影響しますが、バランスの良い食事には、しっかり噛めること、噛むための健康な歯を維持することが求められます。
歯を失ってしっかり噛めなくなると、やわらかい食品に偏りやすく、タンパク質が不足しやすくなります。タンパク質を多く含む食品は、しっかり噛まなければいけない食品が多く、噛めなくなると不足しやすくなるのです。
栄養バランスの良い食事で免疫力を高め、ウイルス感染を予防するために、しっかり噛むための歯を維持することが大切です。歯が抜けたり、被せ物が取れたりしたまま放置している場合は、適切な治療を受けて咀嚼機能を高めることが大切でしょう。
参考：＜新型コロナウイルス感染症について(COVID-19)日本歯科医学会連合＞
歯科の急性疾患対応と慢性的疾患対応について
お口のケアの基本は、患者様がご自身で行うセルフケアです。毎日行われるセルフケアの質を高めることは、お口の健康を守り、さらに感染症の予防につながります。
歯と歯の隙間や奥歯の奥など、歯ブラシだけでは歯垢（プラーク）を落としきることは難しいです。セルフケアをワンランク上げるために、歯ブラシ以外の補助グッズでさらに清潔なお口になりましょう。
歯と歯の隙間に付着しているプラークは、歯ブラシのみでは約6割しか除去できませんが、デンタルフロスの併用で86%、歯間ブラシの併用95%も取り除けます。歯間は特にプラークが付着したり食べ物が挟まりやすい部分です。フロスや歯間ブラシを併用することで、清潔な状態を維持できます。
歯磨きの後に仕上げとして使うと効果的です。エッセンシャルオイルには殺菌作用や抗炎症作用があるため、それを使った洗口液なら、お口の衛生環境の維持・向上だけでなく歯肉炎の予防や症状の軽減にもつながります。
タフトブラシは、通常の歯ブラシよりも毛束が小さいのが特徴の歯ブラシです。ブラシ部分が小さいため、歯並びの悪い部分や奥歯の奥といった、普通の歯ブラシが届きにくく磨き残しをしやすいところの清掃に適します。
毎日行われるセルフケアですが、少しの磨き残しもなく完璧に磨ける人はいません。磨き残しは時間の経過とともに石のように硬くなり、歯石へと変化します。そのため、歯石の除去を行うプロフェッショナルケアを定期的に受けることも、セルフケアと並んで必要なことです。
お口の中をチェックし、特に磨き残しがある部分があれば、正しい歯磨きの仕方を指導します。指導から時間が経てば自己流になりがちですので、定期的な受診により、セルフケアの質を維持します。
専用の薬剤と機器を使って歯の表面を磨いて、お口の中の歯垢・歯石を除去します。汚れを落として細菌を減らし、歯面をツルツルにすることで汚れが付着しにくいお口を作ります。
衛生的な口腔環境を守るため、咀嚼能力を維持するため、メンテナンスにお越しください。しばらく歯医者に行っていないという方は、チェックで病気の早期発見・早期治療につなげることが、健康維持において大変有効です。 痛くなってから受診するのでは、病気が進行している可能性が高く、将来的に歯の喪失を招きかねません。当院は、メンテナンスを通じ、患者様の長期的な健康維持をサポートしてまいります。