佐久間デンタルクリニック

唾液編

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佐久間歯科新聞

お口の 健康を守る唾液の力

口のイラスト

普段、意識することの少ない「唾液」ですが、実はスゴイ働きを持っています。よく知られているのは食べ物を消化する作用ですが、口腔内細菌の増殖を抑える効果があるため、虫歯や歯周病、口臭の発生を抑制します。 虫歯や歯周病予防には歯磨きも大切ですが、唾液の量を高めることも重要です。

唾液の効果

唾液の7つの効果イラスト

唾液腺(だえきせん)から分泌される唾液は、99%以上が水分ですが、残り1%にカルシウムや抗菌・免疫物質などの重要な成分が含まれています。これらで構成された唾液には、お口だけでなく身体全体の健康を守るために欠かせない、大切な役割を7つ担っています。

  • 消化作用

    唾液に含まれる酵素がでんぷんを分解して、食べ物の消化を助けます。

  • 免疫作用

    唾液に含まれる免疫物質が、風邪やインフルエンザなどを予防します。

  • 自浄作用

    1日に1リットル以上も分泌される唾液により、お口の中の汚れを洗い流します。

  • 抗菌作用

    唾液の中にある酵素が、細菌の活動を抑えて繁殖を抑えます。

  • 再石灰化

    作用脱灰(細菌が歯を溶かす働き)が起きた歯の再石灰化を促し、虫歯リスクを抑えます。

  • 保護作用

    歯や口腔粘膜(舌・歯ぐき)を唾液タンパクが覆うことで、感染や傷から守ります。

このように、お口の健康を守る働きが唾液には多くありますが、もうひとつ重要な働き「緩衝能」があります。

緩衝能とは?

PH5.5以下のイラスト

食後はお口の中の細菌が酸を出すことで、口腔内全体がPH5.5以下の酸性に傾き、歯が溶け始めてしまいます。歯が溶けることを脱灰といい、続くと虫歯になってしまいますが、酸性の状態になった口腔内を中性に戻してくれるのが、「緩衝能」の作用です。 緩衝能がうまく作用しなければ、再石灰化作用もじゅうぶんな効果を発揮しなくなってしまうため、お口の中の健康を守るには重要な働きといえます。

唾液緩衝能を高めるために

唾液の緩衝能と分泌量は比例するため、唾液の量を増やすことが質を高めることに繋がります。唾液は、よく噛むことで増えるため、食事の内容に気を使うことが大切です。例えば、水分の少ない乾物、耳ありの食パン、歯ごたえのあるものなどを、意識して食事に取り入れると、咀しゃく回数が自然と増えます。 また、唾液を分泌する唾液腺を刺激することも効果的です。

唾液の分泌量を増やす
「唾液腺マッサージ」

耳下腺

耳下腺

指全体で耳の前あたりを、後ろから前へゆっくり円を描くように回します(10回)。

顎下腺

顎下腺

下顎骨の内側の柔らかい部分に指先を当てて、耳の下から顎の下までをグーッと押し込むようにマッサージします(5回)。

舌下腺

舌下腺

顎の下を、揃えた両手の親指でゆっくり押し上げます(10回)。

※口腔ガン、咽頭ガン、唾液腺炎、不整脈などの症状がある方は、症状が悪化する可能性があるためお控えください。

定期的にメンテナンスを受けましょう

歯医者のイラスト

唾液腺マッサージなどで、唾液の量を増やすことは虫歯・歯周病予防につながりますが、歯磨きの質を上げたり、歯科医院で定期メンテナンスを受けたりすることも重要です。お口の健康を守るためには、歯が痛くなってから受診するのではなく、痛くなる前に歯医者へ行きましょう。

当院では、検査やメンテナンスだけでなく、ブラッシング指導や唾液の量を増やす方法など、効果的に病気を防ぐサポートを行っています。大切な歯を守るためにも、定期的なメンテナンスを受けましょう。

当院のメンテナンスについて